今年の春、ある日突然親が緊急入院という事件が起きてそれまでの日常がひっくり返った。
昨日まで全く想定外だったイマージェンシーな出来事にオロオロと慌てふためいたが、何より困ったのはあまりにも親の個人情報を知らなすぎたということ。そのせいで進めたいのに進められない手続きやらなんやらがありすぎて、自分の状況に近しい経験談を求めてネットに齧り付き、Chat GPTを質問攻めにし、職場のSlackで知見を求め彷徨い…とかバタバタする羽目になりマジで大変だった。親は単身だしその上周辺に肉親が少ないと尚更で、おーい誰かー?!誰でもなんでもいいからおしえてー?!みたいな孤立感を深めてしまう日々だった(そんな中でも知見を共有してくれた親切な有識者のみなさん…主に友人や同僚、は周囲に沢山いて気持ち的に救われた。本当に感謝しかないです)。
1番困ったのは保険や引き落とし関連。たとえば親が入院保険に加入しているかということを至急知りたかったけど、親が何の保険に加入しているのか、そもそも民間保険というものに加入しているのかすら知る術がなく途方に暮れた。あとは入院中にもし何かしらの支払い督促が親のスマホにだけ来ていたとしたら私が把握できるはずもないし、仮にもそれが電気水道みたいなライフラインで、支払いができず運悪く止められちゃったりなんかしたらマジ困る…みたいな焦りが無限にあった。
その後なんやかんやありつつ無事退院したけれど、その頃にはもう同じことは絶対に繰り返すまいという危機意識が自分の中で高まりまくっていたので、親のそういった個人情報諸々を私も把握できるようにと、俗に言う「エンディングノート」を本格的に作ろうということを思いついた(一旦回復したとはいえこれから親がどんどん年老いていくことを考えると、油断せずに少しでも早く実行するべきだと感じた)。
厳密には、市販で本屋などで売っているような冊子タイプのエンディングノートだったら一応本人が以前から用意してはくれていた。だけど紙という媒体だともし何かしらアップデートがあったときの更新性が低くて地味に不便だと感じた(ボールペンで書き込んでたら修正ペンで潰して上から書き直して…とかになるし、かといって鉛筆だと消えちゃうかもだし、まあ低いとはいえ第三者に書き換えられちゃうリスクもゼロではない)。実際親のエンディングノートも部分的にアップデートが止まっていて最新情報が反映されていない項目もあったりしたので、結局運用しにくいんじゃいざという時に役に立たなくて無駄じゃんかとあれこれ頭を捻った結果、クラウド上に残しておくのはどうかという考えに至った。
最初は既存のアプリを使おうかとも思った(探したら、世の中にエンディングノートアプリみたいなのがまあまああった)。ただ、エンディングノートという内容に限らず、世の中のサービスというのはある日突然何の前触れもなく終了するということが普通に起こり得る(仕事柄サービス開発等に携わっているからそのリアリティは少しは知ってるつもりだ)。仮にもそうなるとバックアップという観点でかなり危うさがある。最悪の場合折角入力したデータを失うリスクもゼロじゃないだろうしそれはあまりに悲しすぎる。そもそも大前提厳重に取り扱うべき個人情報だから、よく知らないサービスを初手から盲信して委ねるっていうことにおっかなさもある(それらをネガキャンしたいわけじゃないんだけど。あくまで私の考えです)。
あと親が入院中に例の冊子タイプのエンディングノートをペラペラめくって一番実感したのは、自分が個人的に必要だと感じる項目を記載できるコーナーがデフォルトで存在しない場合がザラにあるってこと。更新性も去ることながらカスタマイズに紙は不向き。結局端っこの枠外にチマチマ書く羽目になるが、それじゃあわざわざフォーマットに課金した意味が損なわれる。つまりサクッとカスタマイズできるようにしたいし、そうやって中長期的な目線で流動的に運用していきたい。
そうなるとやはり自分でオリジナルを作るのが一番手っ取り早そうだということになり、Googleスプレッドシートを活用することにした。Googleなら普段から仕事でも毎日使っているから勝手も分かるし、セキュリティという観点でもだいぶ信頼できるというか安心感がある。
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実際経た行程としては、私の方でスプシ上にゼロベースでフォーマットを作り、大体枠組みができたら親に権限を付与する。そこに本人にあれこれ書き込んでもらいつつ、並行して私の方でも手を加えフォーマットを整えていくという作業を繰り返し行う。一旦おおかた書き込んでもらい、最低限は書けたのでひと安心だね、という状態にまずは持っていく。その後も何か思い出したり書き換えたいことがあれば適宜本人に編集してもらう。自分の場合は兄妹がいるのでそちらにも権限を付与し、最終的に私、親、兄妹の3人だけが閲覧できるという状態にした。
肝心の内容だが、市販のエンディングノートに載っているような項目(銀行・証券口座、加入保険、課金中のサブスクなど)は一通り網羅しつつ、先述の通りオリジナルの項目を付け足していった(至極個人的なので内容は伏せる)。後者は、意外と人によっては色々出てくるんじゃないかな〜とか思う(ペットとか、有形資産にまつわることとか)。

大体こんな感じ(未記入時のキャプチャ)
一見面倒に思われそうだが、やってみた所感としては、重い腰を上げエイヤと着手し集中して半日も作業すればそれなりのものが最低限できたので、その程度の労力でその先の安心が得られるなら絶対やっておくべきというか、少なくとも私は未来の自分の心の安定のためにやっておいてよかったと思った。備えあれば憂いなしとはよく言うけどまさしくそれ。リスクヘッジ大切。と同時に、気付いたら親の面倒を見るフェーズに移行していく年齢に自分もジワジワ差し掛かってきたか、としみじみ実感してみたり。